痛みの情報サイト
ここからサイト内主要メニューです
サイト内検索
いざ医療機関を受診しようと思っても、どの診療科に行けばよいのか、どんなことを聞かれるのか、どんな検査や治療が行われるのかなど、不安に思うことはたくさんあります。 そんな不安を少しでも解消していただくために、ここでは診療の流れをご紹介します。
まずは受診する医療機関を探しましょう。また、自分の痛みに関する情報や疑問を、あらかじめ整理して書き出しておきましょう。
首や肩、腰や手足の痛みやしびれるような痛みを診療するのは、主に整形外科やペインクリニックなどです。具体的にどの診療科にかかればよいかわからない方もいらっしゃると思いますが、そのようなときは、診療科を問わず、普段お世話になっているかかりつけの医師に相談してみましょう。 医療機関同士のネットワークがありますので、症状に適した医療機関や診療科を紹介してもらえるはずです。
専門医施設検索
痛みの原因を知り、的確な治療方針を立てるためには、患者さん自身が自分の情報を医師に正確に伝えることが必要不可欠です。しかし、診察室では緊張してしまい、聞きたかったことや伝えたかったことを忘れてしまうこともあると思います。 そこで、必要なことをより正確に伝えられるように、あらかじめ情報を整理して、メモを作成しておきましょう。 痛みの症状をチェックできる「痛み相談シート」もぜひご活用ください。
痛み相談シート
問診では、痛みの原因や発生時期、痛みの部位や強さ、痛みの感じ方や頻度などを確認して、痛みの状態を把握します。しかし、「痛み」は目に見えない症状であり、人によって感じ方や程度も異なるため、「どのくらい痛いか」を客観的に評価することができません。 そのため、痛みの強さを確認するときには、「評価スケール」という痛みの強さを測る“ものさし”のようなものを使います。「評価スケール」にはさまざまな種類があり、必要に応じて使い分けます。
「0」を「痛みはない」状態、「100」を「これ以上の痛みはないくらい痛い(これまで経験した一番強い痛み)」状態として、現在の痛みが10cmの直線上のどの位置にあるかを示す方法です。診療の場で最も多く使われています。
1) 柏崎 美保ほか:“VAS、NRS、VRS、VDS、FRS、PRSなど” 痛みの概念が変わった 小川 節郎編 真興交易医書出版部:118, 2008より改変
痛みの程度を、笑っている顔から泣いている顔の6段階の表情で表わし、現在感じている痛みがどの表情に近いかを選択する方法です。
痛みを「0:痛みなし」から「10:これ以上ない痛み(これまで経験した一番強い痛み)」までの11段階に分け、痛みの程度を数字で選択する方法です。国際的に痛みの評価ツールとして合意されているスケールで、痛みの変化を調べるために用いられています。
1~20群に分類された78の単語と痛みの時間による変化、痛みの強さに関する質問で構成されています。1~10群は痛みの感覚的表現、11~15群は痛みの感情的表現、16群は痛みの評価的表現を示し、17~20群はその他、となっています。各群内の単語は疼痛の強度の弱い順に並べられて点数化され、全体を加算した合計点数で評価します。
2) Melzack, R.:Pain 1:277, 1975
診察では、患部を見たり、触ったり、特定の動作をさせたりして、痛みの原因を探っていきます。筋力検査、反射検査、知覚検査などにより、感覚が鈍くなっているところがないかも調べます。また、必要に応じて、画像検査や血液検査などを行います。
現在の症状やこれまでの経過、診察の所見、検査結果などをもとに、総合的に痛みの原因を診断し、それに応じた治療方針が決定されます。
薬物療法や神経ブロック療法、理学療法など、痛みにはさまざまな治療法があります。医師は、患者さん一人ひとりに合った治療法を、症状や重症度を見ながら選択し、ときには組み合わせて治療を行います。薬剤にもいくつか種類があり、痛みの種類や重症度などに合わせて処方されます。
痛みが長期間続いて慢性化している場合、病態が複雑化していることが多いため、一回の治療で痛みをなくすことは難しく、治療に時間がかかります。よりよい治療への第一歩は、患者さん自身が、日常生活でやりたいことや改善したいことなどの治療目標を設定して、主治医と共有することです。こうすることで、治療の効果を実感しやすくなります。 痛みの治療にあせりは禁物です。主治医と一緒に一歩ずつ進んでいくことが大切です。例えば、まずは現在の痛みが半分になることを目指して、目標を設定し治療に取り組むとよいでしょう。
痛み治療の目標や、前回の診察日以降の様子を主治医に伝えられるように、薬剤の服薬状況や痛みの程度などを記入する、患者さん向け治療日誌です。医師とのコミュニケーションを取りながら治療を進めていくことも痛み治療においては有効です。
痛みサポートブック